これから入園、入学して、給食が始まるにあたり、多い相談がこちら。

 

「乳糖不耐症」で、牛乳が飲めないので、書類を書いてほしい!

 

と連日、全国からオンライン診療の依頼があります。

1. はじめに

乳糖不耐症とは、牛乳や乳製品に含まれる「乳糖(ラクトース)」

をうまく消化できない状態を指します。

 

原因は、小腸で乳糖を分解する酵素 「ラクターゼ」 の不足です。

 

日本人は遺伝子的に7-8割は、乳を分解しづらいとも言われています。

 

乳糖不耐症の主な症状は以下の通りです。

  • 腹痛や膨満感
  • 下痢やガスの増加
  • 吐き気や不快感

乳製品を摂取した後にこれらの症状が出る場合、乳糖不耐症の可能性があります。

2. 乳糖不耐症の診断方法

乳糖不耐症かどうかを判断するには、自己チェックと医療機関での検査があります。

自己判断のポイント

  1. 乳製品を摂取後の症状を観察
    • 牛乳やヨーグルトを飲んだ後に 腹痛や下痢 が起こるか確認する。
  2. 乳製品を避けたときの変化
    • 数日間 乳製品を控え、症状が改善するかチェック。
  3. 少量の乳製品を試す
    • 少しずつ乳製品を摂取し、症状の有無を確認。

医療機関での検査

病院では、以下の検査で乳糖不耐症を診断できます。

  1. 水素呼気試験(ラクトースブレステスト)

    • 乳糖を含む飲み物を飲み、呼気中の 水素ガス の量を測定。
    • 乳糖が分解されないと腸内で発酵し、水素が増えるため判定が可能。
  2. 血糖値テスト

    • 乳糖を摂取した後の 血糖値の変化 を測る。
    • 乳糖が正常に分解されないと、血糖値がほとんど上昇しない。
  3. 遺伝子検査

    • 乳糖不耐症になりやすい 遺伝子の変異 を調べる。
    • 一度の検査で、一生の体質を判断できる。

がありますが、現実問題、検査はせずに、症状から判断します。

3. 乳糖不耐症の治療と対策

乳糖不耐症の治療は、主に 食事の工夫  乳糖を分解する方法 を取り入れることが中心になります。

① 食事療法:乳糖を避ける&代替食品を活用

乳糖を多く含む食品を控えつつ、栄養バランスを保つことが大切です。

 

避けるべき食品(乳糖を多く含む)

  • 牛乳、ヨーグルト、生クリーム
  • ソフトチーズ(クリームチーズ、カッテージチーズなど)

おすすめの代替食品

  • 乳糖を含まないミルク(豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクなど)
  • ハードチーズ(チェダー、パルメザンなど) → 乳糖が少なく、食べやすい
  • 乳糖除去ミルク → 乳糖を分解済みで、牛乳の風味そのまま

② 乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活用

乳糖を摂取する際に、ラクターゼ(乳糖を分解する酵素)のサプリメントを併用すると、症状を抑えやすくなります。あまりする方はいませんが…

  • 乳糖不耐症用の酵素サプリ(食事と一緒に摂取)
  • ラクターゼ入りのミルク(牛乳の代わりに活用)

     

    もし、乳糖不耐症でお困りの方がいらっしゃいましたら、是非ご相談ください。

     

    オンライン診療も可能です。

    クローバーこどもクリニック